伝統をどう変化させていくか

輸出協

SEP 2021

株式会社おびなた(長野市戸隠)/ 品目:そば

「海外の催事に出展し、現地のお客様にお買い求めいただいたのは、実は、“そば”より先に“つゆ”なんです。」
輸出担当氏は当時を思い出してそう語る。
「でも現地のお客様のカートには“そうめん”が入っていて、ううーん…と思いました。そばつゆですから、そうめんに最適の味とは言えません。“そば”をもっとアピールしないと、と感じました。」

日本食は海外でも人気だが、市民権を得たラーメンなどと違い、「そば(そば切り)」はまだあまり知られていない。
「これは何なのか」、「原料は」、「食べ方は」、「調理方法は」、「栄養価は」など、丁寧に説明しなければ現地のお客様は試食もせずに立ち去ってしまうこともある。

おびなたは信州戸隠の美しい自然の中に工場を構え、主にアジア各国に乾麵を輸出している。
シンガポールで出展した催事ではそば打ちのパフォーマンスを披露し、打ち立てのそばを試食提供した。
見本市や、海外バイヤーとの商談会にも積極的に参加している。信頼できるパートナーとつながり、定番化した商品もある。

ただ、“日本食のそば”をそのまま展開していくには難しさを感じていると言う。現在かかえている課題は、「現地のお客様に浸透させるにはどうしたらいいか」ということだ。
もちろん、日本そばの旨さを海外にも伝えたい。しかし嗜好や食文化は国ごとに違い、日本式の食し方だけ正しいものとして押し付けるのは柔軟さに欠ける。現地のお客様の味覚に合うレシピ、市場のニーズに合致する新たな形状、パッケージ開発など、さまざまに模索中だ。

海外市場に売り込んでいくには、現地へ赴き、現地のマーケットを知ることが重要だと担当氏は話す。現在のコロナ禍ではままならない状況だが、今ある販路を大切に、積極的にアピールしていきたいと考える。
「調理動画の制作を計画中です。」
そば切り発祥の地といわれる長野県。「日本三大そば」を誇る戸隠から、世界に売り込む努力は続く。


株式会社おびなた
〒381-4193 長野県長野市戸隠2640
https://www.obinata.co.jp/

シンガポールでの催事
シンガポールでの催事

明治屋シンガポールにて「長野フェア」に出展。そばを打ち、実演販売を行った。そばがゆで上がる頃には人だかりができる。

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おびなたの工場
おびなたの工場

戸隠の自然の中にある本社と工場。

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アイテム
アイテム

海外向けでは食べ方の提案も行う。

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